投稿日時 2021-05-31 18:58:49 投稿者 平 一 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
投稿者コメント | |
『文明の星』理論の中心となる、 文明発展の|循環《サイクル》をまとめた詳細図です。 人類は文明によって、現在の繁栄を得ました。 文明活動の本体は、全ての人々が営む経済・社会活動ですが、 それを支える二本柱が、技術と政策です。 技術は〝自然〟に働きかけて、 富を生み出すことにより、社会活動を豊かにします。 政策は〝人々〟の利害を調整して、 富を分け合うことで、社会活動を健全に保ちます。 技術が進むと、経済・社会活動が拡大すると共に 複雑・加速化するので、 政策もそれを健全に保つため高度化し、 巨大化と分権化が同時進行します。 政策はまた、在来技術の限界を克服すべく、 次世代技術の開発も促します。 注目すべきは、こうした文明発展の|循環《サイクル》を繰り返すうち、 4種類の技術の中で、中心となる主力技術の性質が変わってゆき、 4種類の政策の中では、回り持ちのように重心が移行してゆくことです。 文明の発展段階を画する主力技術は、変化してきました。 まず農業技術は、体外物質の利用によって、 食料の安定供給を可能とし、文明を生み出しました。 次に工業技術は、体外|動力《エネルギー》の利用によって、 文明活動の規模と速度を増幅し、文明を世界に拡大しました。 そして情報技術は、体外情報の利用(演算・記録・通信)によって、 文明活動を効率化し、地球的限界への到達による衝撃を緩和しました。 さらに人工知能は、体外知性の創造と利用によって、 人間自身を含む自然物と、機械など人工物の親和性を高め、 文明の持続可能性を実現しつつあります。 これに成功すれば、次はさらなる新技術の開発により、 本格的な宇宙開発技術の時代に進むことができると思います。 政策の重心もまた、変わってきました。 まず農業~工業時代には、灌漑事業や国防など、 富の(確保も含めた)生産のための、技術的政策が中心でした。 次に工業~情報時代には、産業立国や福祉国家というように、 富の(再投資も含めた)再分配のための、経済・社会政策が増えました。 そして情報~AI時代には、地球規模の自然的限界や社会統合、 人々の生活向上や少子高齢化等を背景に、 富を作って分ける人々自身の健康や教育を、 人道的かつ公正に向上させるための、 人的資源政策が重要になっていくと考えます。 それができればAI~宇宙時代には、 可能な限りそこにいる全ての人が適材適所で参画し、 多様な政策をバランスよく最適な形で行うための、 行政管理政策の役割が大きくなっていくのではないでしょうか。 以上の変化については、他の技術や政策が重要性を失うのではなく、 重要な技術や政策が新たに積み重なっていくという意味で、 〝主力技術の性質変化〟や〝政策内の重心移動〟と表現しました。 では、このような発展に伴う変化は、 何によって起きるのでしょうか? そこにはやはり、技術の難易度や自然環境の状況、 技術の性格や社会環境の変化といった、 自然・社会環境と文明活動の相互作用からくる、 必然的な流れがあると思います。 例えば、社会がまだ貧しく、自然に開発の余裕が多い時代には、 まず生産が最優先となりましょう。 しかし社会が豊かになってくると、それを上手に配分しなければ、 内乱が起きたり、他国との産業競争に負けたりしてしまう。 社会が十分豊かになる反面、自然開発や領土拡大に限界が見えてくると、 今度は利便性や効率性の向上を巡って、競争が行われる。 いよいよ地球は限界、高齢化など人間自身の限界も見える一方、 世界の統合や生活の向上で、戦争や災害による淘汰も許されなくなると、 我々自身の向上も含めた惑星文明の持続的発展が課題になる。 それができたら、次はさらなる新天地《フロンティア》を求め、 本格的な宇宙開発のために、 新しい技術や政策が求められるようになる……。 そのような、各時代における自然・社会環境の状況や、 技術的許容性(難易度)・社会的必要性(需要)の変化が、 技術や政策における、文明の|潮流《トレンド》を 形作っているように思われます。 技術においても、政策においても、 ① 富の生産(確保も含む)→ ② 富の分配(再投資も含む) →③ 人の向上(健康・教育)→ ④ 人の活用(参画・協働) という順序で、 それを可能にするような技術が主役を担い、 それを推進するための政策が重要になっていくようです。 経済・社会活動が豊かになり、省力化する中で、 より多くの人々がより広く、科学・技術や制度・政策も含め、 文明全体について総合的に考えられるようになれば、 必ずや、さらなる文明の繁栄に役立つのではないかと思います。 人類文明がこれからも永続し、発展し続けられるよう期待したいです。 この図で描いたのは、SF小説「Lucifer(ルシファー)」や、 その要約版「『Lucifer』断章」を書きながら考えた文明論です。 この「Lucifer(ルシファー)」シリーズでは、 星間文明でも惑星文明と同様の発展過程を|辿《たど》るという想定のもとに、 銀河的国家の盛衰と発展を描きました。 こんな文明論まで考えられるような、創作上の刺激を与えてくれたのは、 アイドルマスターやバンドリ、ラブライブなどのゲームに素材とした、 素敵なYoutube動画作品でした。 それ以外にも漫画、アニメ、小説、映画、音楽、フィギュアなど、 様々な作品から影響を受けました。 ここでは挙げきれない、全ての作品に感謝します。 |
||
最大化 | アクセス解析 | ユーザ情報 |
▽この画像のトラックバックURL▽(トラックバックについて) |