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12 知性と文明の相関図

登録 タグ *文明 *文明の星 *六芒星 *civilization *hexagram *SDGs
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投稿日時
2021-05-31 18:55:52

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平 一

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投稿者コメント
この図では、知性の2要素(想像力・欲求)と
3種の文明活動(科学・技術、制度・政策、経済・社会活動)の、
様々な相互作用を示しました。

そうした流れを|箇条書《かじょうが》きで整理すると、
①限りない想像力→自然科学的技術が生まれる
→経済・社会活動の生産性増大
②限りない想像力→社会工学的技術も生まれる
→制度・政策の生産性(効率性)増大
③限りない欲求→現技術下での利害調整政策が求められる
→経済・社会活動の健全性確保
④限りない欲求→新技術の開発・普及政策も求められる
→科学・技術の健全性(適切な発展)確保
となります。

想像力が技術、欲求が政策を生み出すと、
それらがさらに玉突き式に、
他の2つの文明活動に働きかける形になります。
文明活動同士の相互作用です。

またそ、それらの動きが集まると全体として、
技術革新→社会変化→政策変更→技術革新……、
という文明発展の|循環《サイクル》を生み、
それがまた想像力や欲求の無制限化を促します。

すなわち、⑤想像力と欲求が文明を発展させる
→さらなる想像力と欲求の無制限化となります。
文明活動の3要素に加えて、知性の2要素間、
知性と文明活動の間にも相互作用の関係があるといえます。

以上を|時系列《じけいれつ》の順に書き直すと、次のようになります。

第一に、人間の限りない想像力は、
合理的な推論から自然科学的な技術を生み、
経済・社会活動を豊かにします。

第二に、科学・技術によって、
経済・社会活動は拡大し、複雑加速化します。

第三に、経済・社会活動の拡大と複雑加速化は
人々の欲求を多様化させるので、
利害調整のための制度・政策を必要とさせます。

第四に、制度・政策は、
まずは既存の技術のもとで様々な利害を調整し、
経済・社会活動を健全に保ちます。

第五に、このとき科学・技術は、
完全な空想(|虚構《フィクション》)に基づく
社会工学的な技術によって、政策実現を助けます。

第六に、他方で制度・政策は、
人々の限りない生活向上の欲求を受けて、
さらに想像力を活かした新技術の開発・普及も促します。

このようにして、
文明発展の|螺旋上昇的な循環《スパイラル・アップ・サイクル》が続いていきます。

ところでこの図では、知性(人間性)とあります。

私見では、知性と人間性はどちらも、
限りない想像力と欲求を含むので、広い意味では同義であり、
違いをいうなら知性は想像力、人間性は欲求の部分に
重きを置いた言葉なのではないかと思います。

文明活動とその発展のなかで、
無制限的な想像力がもたらす複雑高度な認識と、
無制限的な欲求からくる多様で可変的な決定・行動は
必ず|相伴《あいともな》うからです。

両者は|電子頭脳学《サイバネティクス》でいう|入力《インプット》と|出力《アウトプット》にあたり、
高度な認識は複雑な活動につながると共に、
自己改良型の|組織《システム》ならば、
活動の複雑化はさらに高度な認識を求めると思います。

知性と同様に人間性もまた、多義的な言葉であり、
狭い意味での人間性とは特に、欲求の多様性の中でも
社会的に好ましい部分をさすでしょう。
しかし、そうでない言葉の用例もあります。

ルネッサンスは、厳格なキリスト教文化に対する、
〝人間性〟回復の学芸(学問・文化)思潮でありました。
しかしその中には、芸術表現の自由化だけでなく、
道義だけでは君主になれぬと説く『君主論』も含まれます。
また、同じくルネッサンスを担ったレオナルド・ダ・ヴィンチは、
芸術作品だけでなく、科学・技術上の業績も残しています。
ここでは豊かな想像力や科学的思考、多様な欲求や価値観を
全て含めて、人間性と言っているのではないかと思います。

いずれにしても、人間が持つ知性あるいは人間性は、
限りない想像力と欲求を両翼とし、
それが技術と政策という文明の両輪を生み出して、
文明発展を可能とする一方、
その発展がさらに想像力と欲求を拡大して、
次なる発展を求めさせるのだと考えます。
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