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11 「知性」説明図

登録 タグ *文明 *文明の星 *六芒星 *civilization *hexagram *SDGs
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投稿日時
2021-05-31 18:52:30

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平 一

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投稿者コメント
人類は、高度な知性によって文明を得ました。
では知性とは、一体どんな性質なのでしょうか?
簡単に言えば、限りない想像力と欲求だと思います。
ここではその2つの要素が、3種の文明活動に対して、
個々にどのような影響を及ぼすかを示しました。

まず想像力とは、合理的な推論から完全な空想にまで及ぶ、
抽象的な思考能力です。

普通、知性と言えばまず、これだけをさします。
たとえば人工知能(〝人工知性〟とも訳せます)は、
大量の情報から因果法則を発見し、活用できますが、
そこでの知性はまさにこの意味です。

しかし後で述べるように、人間においては、
想像力と欲求は文明活動の中で密接な相互作用をなし、
いわば必ず伴う、切っても切れない関係にあるため、
ここでは知性に無制限的な欲求も含めています。

第一に想像力は、科学・技術の基礎となります。
合理的な推論は、科学・技術の目的である、
〝ああいう時はああなる〟〝こうすればこうできる〟
という法則性の発見を可能にします。
しかし、推論と空想の境界は地続きです。
様々な科学的仮説は、実証されれば事実となり、
誤りと分かれば空想だったことになります。
生命の起源や燃焼の原理、原子や宇宙の構造に関する
学説の歴史は、それを示しています。
波動関数理論や超弦(超ひも)理論仮説に至ってはもはや、
『事実は小説よりも奇なり』とも思わせる内容です。

第二に、想像力は文明活動の本体すなわち、
文化活動や、広い意味では技術や政策も含む、
経済・社会活動の源泉にもなっています。
こんな事業や機械、制度があったら?という想像力が、
できたらいいな!という欲求とあいまって、
経済・社会活動をどこまでも発展させていきます。

第三として、意外なことに想像力は、
完全な|虚構《フィクション》であっても社会工学的技術の基礎になり、
制度・政策の実現に役立ちます。
権利・義務あるいは法人格・役職などの法律概念や、
一定規格の紙片・金属片・電子情報に与えられる貨幣価値、
といったものが、それにあたります。
私はこのことを、岸田秀先生やY.N.ハラリ先生の本で知りました。
両先生は宗教や|政治思想《イデオロギー》もその中に含めています。

|蛇足《だそく》ですが『神や悪魔は異星人だった!』という、
『古代宇宙飛行士(古代の宇宙人)』仮説というのもあり、
そんな夢のある説に知的刺激を受けて、
人類が異星種族と共に文明を発展させる素人小説を書いていたら、
この文明論を考えることができました。

次に欲求とは、物理的には脳内の電位変化などとされる、
知的な生命活動の動因です。

人間の欲求もまた想像力と同様に無制限的であり、
翼もないのに空を飛ぼうとしたり、
多様な文化活動を生み出したりします。
戦争などで大量殺戮を行う一方、
崇高な理念で社会を改善しようともします。

そうした欲求の無制限化は、
技術が生んだ文明生活に適応する過程で起きたか、
少なくとも促されたのではないかと思います。
技術によって拡大し、複雑化する文明活動は、
遺伝的・本能的な欲求だけでは営めない一方、
より様々な欲求充足を可能としてゆくからです。

第一に、無制限的な欲求は制度・政策を求めさせます。
多様な欲求により利害衝突の機会が増えると、
社会的な意思決定の必要が生じるからです。
ただ、面白いことに近代国家では、
自由主義が最高の価値とされており、
民主主義もその手段であるといわれます。
この、国家は制度・政策を決めるのが仕事だが、
悪意や無用の決め事は防ぎたいという発想もまた、
人間の欲求の無制限性を示していると思います。

第二に、人間の限りない欲求は、
先述のように尽きせぬ想像力とあいまって、
経済・社会活動の原動力になっています。
たとえば、ある商品が社会に普及したら、
消費者はさらに良い商品を求め、
企業もそれに応えて新製品を供給することで、
もっと社会を豊かで便利にしていきます。
近年の国際的・総合的な政策目標SDGsが、
単なる〝持続〟ではなく、持続的〝開発(発展)〟を
目指すというのも、そのことを示していると思います。

第三に、〝必要は発明の母〟というように、
人間の欲求は科学・技術の推進力でもあります。
特に、現代の研究・開発は大規模なものが多いので、
社会全体の需要を受けた、企業戦略なども含む、
研究・開発政策によることが多いです。
科学的発見は偶然のきっかけによることもありますが、
技術としての開発や普及には、社会需要が必要です。
また偶然のきっかけから法則性を見出せるのも、
限りない好奇心や知識欲があればこそ、だと思います。
技術の進歩自体を止めることは難しいので、
健全な開発・普及を図る政策が重要だ、といった考えも、
欲求の無制限性から説明できます。

以上のように、知性の2大特色である想像力と知性は、
文明の2本柱である技術と政策を可能とし、必要とさせて、
文明活動の本体である経済・社会活動を発展させてゆきます。
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