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知性と文明の相関図

登録 タグ *文明の星 *文明 *持続可能性
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投稿日時
2020-04-26 19:36:53

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平 一

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投稿者コメント
拙作『文明の星』の第8~11章(想像、欲求、知性、人間性)の
各説明図をまとめ、描き直しました。
人間がもつ各属性と、文明の各要素との関係を示すということで、
題名も変えました。



1 知性について

知性すなわち知的生命活動能力とは、
環境の違いや変化に応じて活動を制御することにより、
より良く生きられる能力です。

具体的には、『ああいうときは、ああなる』(法則)
『こうすれば、こうできる』(技術)といった、
物事の間の因果法則を発見し、利用する能力です。

知的生命活動の過程《プロセス》は、『どうなっているか知る』(認識)、
『どうすべきか考える』(決定)、
『そのとおりにする』(行動)という三つの段階からなります。


2 文明について

文明とは、高度な技術をもった知的生命活動の様式
(ある社会集団に共通する形式)なので、
文明活動とは、高度で社会的な知的生命活動であるといえます。

そこで文明活動も、個人の知的活動と同様に、
科学・技術(認識)、制度・政策(決定)、
経済・社会活動(行動)の三種類に分けることができます。

ただし、個々人ではなく社会全体の活動のあり方なので、
技術の発達に応じて人々が実際に色々なことをしていく中から
『ああいう時はああすべき』(法規)という決定が生まれるように、
公平・効率的に適用できる一般的な形式の判断が重視されるとか、
行動と決定の変化の順序が変わるといった違いがあります。

生命活動は、生存に必要なものを得て、分けることで営まれます。
文明活動の本体は、全ての人々が営む経済・社会活動ですが、
自然からより良く富(財、資源)を得て、
経済・社会活動を豊かにするために分業化した活動が科学・技術、
人々の間でより良く富を分けて、
経済・社会活動を健全に保つために分業化した活動が制度・政策である、
ということができると思います。
(細かくいうと技術や政策も広い意味では経済・社会活動の一部ですし、
自然といっても一定の法則に従う個人や社会の〝内なる自然〟を含み、
制度といっても社会的な技術の側面があるので注意を要しますが……。)

また、これら三つの文明活動には、それぞれの必要条件として、
物的資源、人的資源、自然・社会環境という、
三つの環境条件を考えることができます。

そこで、以上六つの文明要因から文明活動を理解・予測し、
皆で今後の社会を考えるのに役立てていけたらというのが、
私見『文明の星』理論(仮説)の趣旨です。


3 科学・技術について

文明活動における認識の部分が、科学・技術ですが、
ここでも因果法則の発見が重要となります。
しかし物事の間の法則性は、すぐに正しく分かるとは限らず、
初めは推論と空想の境界は連続的で、これを想像と呼べると思います。
自然科学でも、まずは仮説を立て、それを観測や実験で検証して、
実証された法則が利用されていくことになります。

また社会科学では、完全な虚構《フィクション》もまた、
人々が効率的に動けるような、社会工学的な技術を可能にします。
権利・義務・法人格などの法律概念や、貨幣の価値、
あるいは宗教の教義などがこれに当たります。
(私はこのことを、岸田秀先生やY.N.ハラリ先生の
著作で知りました。)

合理的な推論から完全な虚構《フィクション》まで及ぶ人間の想像力は、
自然や社会についての科学・技術を可能にします。


4 経済・社会活動について

科学・技術は経済・社会活動を豊かにし、広域化すると共に、
複雑化させ、加速化するので、人間の欲求を無制限化します。
複雑化した文明活動は、遺伝的に仕込まれた本能だけでは営めず、
また生活の向上は、さらなる向上を追求できる余裕を与えるからです。

このことは、文明活動という高度に知的な生命活動においても、
生命活動とは生物と環境の相互作用の過程《プロセス》なのだ、
ということを示しているのではないかと思います。
技術は自然・社会環境を変えていきますが、
そのことにより、人間自身もまた影響を受けるのです。


4 制度・政策について

人々の欲求や、その体系である価値観の多様化は、
様々な欲求や価値観同士の衝突の可能性も増やすので、
社会的な利害調整のため、新たな制度・政策の必要性を生み出します。

また、ある技術水準のもとで一定の制度・政策ができても、
人間の欲求はその制約を超える、さらなる新技術を求めるので、
それを健全に開発するためにも、新たな制度・政策が必要となります。

科学・技術により自然・社会環境を変えた人間は、
そうした環境変化に影響を受けながらも、
新しい制度・政策を作って変化した社会生活に適応し、
さらにより良い生活を求めて自然・社会環境に働きかけるべく、
新たな科学・技術を追求していくのです。


5 人間性について

以上のことから、知性は無制限的な想像力に加え、
無制限的な欲求ももたらすのではないかと思います。

するとこれらは、世界史のルネッサンスで学んだような、
良くも悪くも合理的に考え、自由を求める
人間性と重なるのではないでしょうか。

もちろん今では人工知能(直訳では人工知性)という、
電算組織に法則性の発見・利用を可能とさせるような、
自己学習型の演算指示《プログラム》も発達しつつあるので、
独自の生存欲求(意思)を持たない知性も存在するといえます。

また人間性といっても、狭い意味では、
社会的に望ましい欲求の部分のみを指すことも多いです。

しかし、一般的に言えば、知性あるいは人間性は、
無制限的な想像力と欲求を二つの特色としており、
両者はそれぞれ技術と政策という、
文明の二本柱を可能とし、必要とさせているのだ、
とみることができましょう。

人類が今後も、新たな技術と人道的な政策により文明を発展させ、
繁栄し続けていけるよう、願っています。
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