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投稿者:平 一
基本情報
タイトル 知性と文明の相関図
タグ *文明の星 *文明 *持続可能性
コメント 拙作『文明の星』の第8~11章(想像、欲求、知性、人間性)の
各説明図をまとめ、描き直しました。
人間がもつ各属性と、文明の各要素との関係を示すということで、
題名も変えました。



1 知性について

知性すなわち知的生命活動能力とは、
環境の違いや変化に応じて活動を制御することにより、
より良く生きられる能力です。

具体的には、『ああいうときは、ああなる』(法則)
『こうすれば、こうできる』(技術)といった、
物事の間の因果法則を発見し、利用する能力です。

知的生命活動の過程《プロセス》は、『どうなっているか知る』(認識)、
『どうすべきか考える』(決定)、
『そのとおりにする』(行動)という三つの段階からなります。


2 文明について

文明とは、高度な技術をもった知的生命活動の様式
(ある社会集団に共通する形式)なので、
文明活動とは、高度で社会的な知的生命活動であるといえます。

そこで文明活動も、個人の知的活動と同様に、
科学・技術(認識)、制度・政策(決定)、
経済・社会活動(行動)の三種類に分けることができます。

ただし、個々人ではなく社会全体の活動のあり方なので、
技術の発達に応じて人々が実際に色々なことをしていく中から
『ああいう時はああすべき』(法規)という決定が生まれるように、
公平・効率的に適用できる一般的な形式の判断が重視されるとか、
行動と決定の変化の順序が変わるといった違いがあります。

生命活動は、生存に必要なものを得て、分けることで営まれます。
文明活動の本体は、全ての人々が営む経済・社会活動ですが、
自然からより良く富(財、資源)を得て、
経済・社会活動を豊かにするために分業化した活動が科学・技術、
人々の間でより良く富を分けて、
経済・社会活動を健全に保つために分業化した活動が制度・政策である、
ということができると思います。
(細かくいうと技術や政策も広い意味では経済・社会活動の一部ですし、
自然といっても一定の法則に従う個人や社会の〝内なる自然〟を含み、
制度といっても社会的な技術の側面があるので注意を要しますが……。)

また、これら三つの文明活動には、それぞれの必要条件として、
物的資源、人的資源、自然・社会環境という、
三つの環境条件を考えることができます。

そこで、以上六つの文明要因から文明活動を理解・予測し、
皆で今後の社会を考えるのに役立てていけたらというのが、
私見『文明の星』理論(仮説)の趣旨です。


3 科学・技術について

文明活動における認識の部分が、科学・技術ですが、
ここでも因果法則の発見が重要となります。
しかし物事の間の法則性は、すぐに正しく分かるとは限らず、
初めは推論と空想の境界は連続的で、これを想像と呼べると思います。
自然科学でも、まずは仮説を立て、それを観測や実験で検証して、
実証された法則が利用されていくことになります。

また社会科学では、完全な虚構《フィクション》もまた、
人々が効率的に動けるような、社会工学的な技術を可能にします。
権利・義務・法人格などの法律概念や、貨幣の価値、
あるいは宗教の教義などがこれに当たります。
(私はこのことを、岸田秀先生やY.N.ハラリ先生の
著作で知りました。)

合理的な推論から完全な虚構《フィクション》まで及ぶ人間の想像力は、
自然や社会についての科学・技術を可能にします。


4 経済・社会活動について

科学・技術は経済・社会活動を豊かにし、広域化すると共に、
複雑化させ、加速化するので、人間の欲求を無制限化します。
複雑化した文明活動は、遺伝的に仕込まれた本能だけでは営めず、
また生活の向上は、さらなる向上を追求できる余裕を与えるからです。

このことは、文明活動という高度に知的な生命活動においても、
生命活動とは生物と環境の相互作用の過程《プロセス》なのだ、
ということを示しているのではないかと思います。
技術は自然・社会環境を変えていきますが、
そのことにより、人間自身もまた影響を受けるのです。


4 制度・政策について

人々の欲求や、その体系である価値観の多様化は、
様々な欲求や価値観同士の衝突の可能性も増やすので、
社会的な利害調整のため、新たな制度・政策の必要性を生み出します。

また、ある技術水準のもとで一定の制度・政策ができても、
人間の欲求はその制約を超える、さらなる新技術を求めるので、
それを健全に開発するためにも、新たな制度・政策が必要となります。

科学・技術により自然・社会環境を変えた人間は、
そうした環境変化に影響を受けながらも、
新しい制度・政策を作って変化した社会生活に適応し、
さらにより良い生活を求めて自然・社会環境に働きかけるべく、
新たな科学・技術を追求していくのです。


5 人間性について

以上のことから、知性は無制限的な想像力に加え、
無制限的な欲求ももたらすのではないかと思います。

するとこれらは、世界史のルネッサンスで学んだような、
良くも悪くも合理的に考え、自由を求める
人間性と重なるのではないでしょうか。

もちろん今では人工知能(直訳では人工知性)という、
電算組織に法則性の発見・利用を可能とさせるような、
自己学習型の演算指示《プログラム》も発達しつつあるので、
独自の生存欲求(意思)を持たない知性も存在するといえます。

また人間性といっても、狭い意味では、
社会的に望ましい欲求の部分のみを指すことも多いです。

しかし、一般的に言えば、知性あるいは人間性は、
無制限的な想像力と欲求を二つの特色としており、
両者はそれぞれ技術と政策という、
文明の二本柱を可能とし、必要とさせているのだ、
とみることができましょう。

人類が今後も、新たな技術と人道的な政策により文明を発展させ、
繁栄し続けていけるよう、願っています。
iコード i456741 掲載日 2020年 04月 28日 (火) 02時 03分 01秒
ジャンル イラスト 形式 JPG 画像サイズ 4678×3307
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