タイトル | 11 「知性」説明図 | ||||
タグ | *文明 *文明の星 *六芒星 *civilization *hexagram *SDGs | ||||
コメント | 人類は、高度な知性によって文明を得ました。 では知性とは、一体どんな性質なのでしょうか? 簡単に言えば、限りない想像力と欲求だと思います。 ここではその2つの要素が、3種の文明活動に対して、 個々にどのような影響を及ぼすかを示しました。 まず想像力とは、合理的な推論から完全な空想にまで及ぶ、 抽象的な思考能力です。 普通、知性と言えばまず、これだけをさします。 たとえば人工知能(〝人工知性〟とも訳せます)は、 大量の情報から因果法則を発見し、活用できますが、 そこでの知性はまさにこの意味です。 しかし後で述べるように、人間においては、 想像力と欲求は文明活動の中で密接な相互作用をなし、 いわば必ず伴う、切っても切れない関係にあるため、 ここでは知性に無制限的な欲求も含めています。 第一に想像力は、科学・技術の基礎となります。 合理的な推論は、科学・技術の目的である、 〝ああいう時はああなる〟〝こうすればこうできる〟 という法則性の発見を可能にします。 しかし、推論と空想の境界は地続きです。 様々な科学的仮説は、実証されれば事実となり、 誤りと分かれば空想だったことになります。 生命の起源や燃焼の原理、原子や宇宙の構造に関する 学説の歴史は、それを示しています。 波動関数理論や超弦(超ひも)理論仮説に至ってはもはや、 『事実は小説よりも奇なり』とも思わせる内容です。 第二に、想像力は文明活動の本体すなわち、 文化活動や、広い意味では技術や政策も含む、 経済・社会活動の源泉にもなっています。 こんな事業や機械、制度があったら?という想像力が、 できたらいいな!という欲求とあいまって、 経済・社会活動をどこまでも発展させていきます。 第三として、意外なことに想像力は、 完全な|虚構《フィクション》であっても社会工学的技術の基礎になり、 制度・政策の実現に役立ちます。 権利・義務あるいは法人格・役職などの法律概念や、 一定規格の紙片・金属片・電子情報に与えられる貨幣価値、 といったものが、それにあたります。 私はこのことを、岸田秀先生やY.N.ハラリ先生の本で知りました。 両先生は宗教や|政治思想《イデオロギー》もその中に含めています。 |蛇足《だそく》ですが『神や悪魔は異星人だった!』という、 『古代宇宙飛行士(古代の宇宙人)』仮説というのもあり、 そんな夢のある説に知的刺激を受けて、 人類が異星種族と共に文明を発展させる素人小説を書いていたら、 この文明論を考えることができました。 次に欲求とは、物理的には脳内の電位変化などとされる、 知的な生命活動の動因です。 人間の欲求もまた想像力と同様に無制限的であり、 翼もないのに空を飛ぼうとしたり、 多様な文化活動を生み出したりします。 戦争などで大量殺戮を行う一方、 崇高な理念で社会を改善しようともします。 そうした欲求の無制限化は、 技術が生んだ文明生活に適応する過程で起きたか、 少なくとも促されたのではないかと思います。 技術によって拡大し、複雑化する文明活動は、 遺伝的・本能的な欲求だけでは営めない一方、 より様々な欲求充足を可能としてゆくからです。 第一に、無制限的な欲求は制度・政策を求めさせます。 多様な欲求により利害衝突の機会が増えると、 社会的な意思決定の必要が生じるからです。 ただ、面白いことに近代国家では、 自由主義が最高の価値とされており、 民主主義もその手段であるといわれます。 この、国家は制度・政策を決めるのが仕事だが、 悪意や無用の決め事は防ぎたいという発想もまた、 人間の欲求の無制限性を示していると思います。 第二に、人間の限りない欲求は、 先述のように尽きせぬ想像力とあいまって、 経済・社会活動の原動力になっています。 たとえば、ある商品が社会に普及したら、 消費者はさらに良い商品を求め、 企業もそれに応えて新製品を供給することで、 もっと社会を豊かで便利にしていきます。 近年の国際的・総合的な政策目標SDGsが、 単なる〝持続〟ではなく、持続的〝開発(発展)〟を 目指すというのも、そのことを示していると思います。 第三に、〝必要は発明の母〟というように、 人間の欲求は科学・技術の推進力でもあります。 特に、現代の研究・開発は大規模なものが多いので、 社会全体の需要を受けた、企業戦略なども含む、 研究・開発政策によることが多いです。 科学的発見は偶然のきっかけによることもありますが、 技術としての開発や普及には、社会需要が必要です。 また偶然のきっかけから法則性を見出せるのも、 限りない好奇心や知識欲があればこそ、だと思います。 技術の進歩自体を止めることは難しいので、 健全な開発・普及を図る政策が重要だ、といった考えも、 欲求の無制限性から説明できます。 以上のように、知性の2大特色である想像力と知性は、 文明の2本柱である技術と政策を可能とし、必要とさせて、 文明活動の本体である経済・社会活動を発展させてゆきます。 |
||||
iコード | i556159 | 掲載日 | 2021年 05月 31日 (月) 19時 05分 02秒 | ||
ジャンル | イラスト | 形式 | JPG | 画像サイズ | 3600×2545 |
ファイルサイズ | 624,974 byte |
◆この画像のURL | |
◆この画像のトラックバックURL |