タイトル | 12 「人間性」説明図 | ||||
タグ | *文明の星 *文明 *civilization *hexagram | ||||
コメント | 広い意味では、知性=人間性が、限りない想像力と欲求を生み出します。 しかし狭い意味でいうと、知性が想像力や認識の部分に重心を置くのに対し、 人間性は欲求や決定の部分に重心を置いた言葉だといえましょう。 この図では欲求に重心を置きつつも、より深く、欲求と想像力の相互作用が、 3つの文明活動の相互関係のなかで、どんな働きをするかを示しました。 無制限的な欲求は、社会活動のなかで様々な欲求の衝突をもたらします。 そうした争いは、利害調整のための政策を必要とさせます。 技術や政策も広い意味では社会活動のひとつですから、 それには、政府自身や研究機関の活動を健全に保つ政策も含まれます。 しかし無制限的な欲求はまた他方において、それまでの技術水準における 社会活動や政策の限界を越えるべく、新たな技術開発を促す政策も求めます。 その技術がまた社会活動を変えて、さらなる政策の発展を導き、 文明発展の循環《サイクル》が続いていきます。 知性と同様に、人間性というのも多義的な言葉です。 狭い意味での人間性とは、狭義の知性すなわち、 想像力が可能とする高度の認識能力に由来しつつも、 それとは区別される、欲求の多様性や可変性を指します。 「人間性とは、知性に伴う欲求の無制限性である。」 「知性が生み出す技術は、人間性が持つ可能性と危険性を増幅する。 前者を最大化し、後者を最小化して、社会を健全に保つのが政策である。」 人間性について私がそんなことを書く時は、この意味で使っています。 しかし広い意味では、不即不離《ふそくふり》の限りない想像力と欲求を合わせたものが、 良くも悪くも知性すなわち人間性なのだ、とも言えます。 ルネッサンスは、厳格なキリスト教文化に対する、 人間性回復の学芸(学問・文化)思潮だったといわれます。 しかしその中には、芸術表現の自由化だけでなく、 道義だけでは君主になれぬと説いた、マキャベリの君主論も含まれます。 また、同じくルネッサンスを担ったレオナルド・ダ・ヴィンチは、 科学研究や技術開発にも業績を残しています。 ここでは想像や事実認識だけでなく、 善悪を問わず人間の欲求まで含めたものを、 人間性と言っているのだと思います。 他方でより狭く、社会的に善いことかどうかも見て、 好ましい欲求や価値体系だけを人間性という場合もありましょう。 いずれにせよ、技術と政策という文明の二本柱は、 限りない想像力と欲求という 人間性(知性)の二側面から生み出される、 ということができると思います。 |
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iコード | i383566 | 掲載日 | 2019年 07月 30日 (火) 22時 28分 16秒 | ||
ジャンル | イラスト | 形式 | JPG | 画像サイズ | 4678×3307 |
ファイルサイズ | 974,802 byte |
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