投稿日時 2022-10-02 00:30:03 投稿者 平 一 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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(1) 文明の定義 私達は今、様々な社会課題に直面していますが、 その解決には、私達がこれまで何によって 栄えてきたかを知ることが、有益だと思います。 人類は、文明によって現在の繁栄を得ました。 文明の最も|簡単《シンプル》な定義は、 〝高度な技術を伴う知的生命活動の様式〟です。 知的生命活動とは、 脳神経系のように発達した情報処理器官を用い、 環境の違いや変化に応じて 自らの活動を制御することにより、 よりよくより良く生きられる生命活動です。 知性とは、抽象的な思考能力により、 『ああいう時はああなる』(法則)、 『こうすればこうできる』(技術)といった、 物事の間の一般的な因果関係を 発見・活用できる能力です。 まとめて分かりやすく言いますと、 知的生命活動とは頭を使い、 物事の原因に働きかけることで、 生存しやすい結果を得る生命活動です。 (2)三つの文明活動 文明の特徴としては農耕、土木や文字などの技術、 都市の形成、人口の増大、独自の文化、 政治を含めた社会的分業などが|挙《あ》げられますが それらのうちで技術以外のものは、 技術が必然的にもたらすものといえます。 例えば、農耕技術により生活が豊かになり、 都市ができて大勢の人々が 商工業や文化活動を営むようになると、 それらを社会全体で効率的に行えるよう、 行政も含め様々な活動が分業化します。 そこで、様々な文明活動を考えたい時は、 まずは科学・技術を出発点に、 それらを知的生命活動の順序に従って 分類していけば、合理的・体系的に、 分かりやすく理解できると思います。 知的活動の過程は、 『どうなっているか知る』(認識)、 『どうすべきか決める』(決定)、 『その通りにする』(行動)という、 三段階に分けられます。 それに従うと文明活動もまた、 科学・技術(社会的な事実認識)、 制度・政策(社会的な意思決定)、 経済・社会活動(社会的な現実行動)という、 三種類に分けられます。 (以後は技術、政策、社会活動と略する ことがあります。) この分類は教育における知情意体、知徳体や、 経営のマネジメント(PDCA)サイクル、 軍事における|OODA《ウーダ》ループ、 販売における|AIDOMA《アイドマ》の法則など、 知的活動の段階による個人や組織の活動の 分析手法を、社会全体に当てはめたものです。 (3)三つの文明条件 〝科学・技術〟が進むと、 〝経済・社会活動〟が豊かになり、 同時に拡大・複雑・加速化します。 そこで人々の利害を調整し、 次の技術を開発するためにも、 〝制度・政策〟が必要になります。 しかし技術は、農地や建物のような、 〝物的資源〟に具現化されないと 社会を豊かにできません。 政策もまた、健康で教育を受けた、 〝人的資源〟により実現されないと 社会を健全に保てません。 さらに、政策が新技術の導入を行う時は、 資源や市場など〝自然・社会環境〟が、 促進または制約条件として働きます。 これらは文明活動に影響を及ぼす、 内外の環境条件です。 (4)『文明の星』 以上のような3つの文明活動要因と 3つの内外環境要因、合計6つの文明要素を、 〝ダビデの星(The Star of David)〟や〝|籠目紋《かごめもん》〟といわれる、 |六芒星《ろくぼうせい》(✡)の形に並べた図から、 文明について考えることができます。 私はこの考え方(仮説)を、 『文明の星』理論と名付けました。 私達は今、文明の転換期を迎えています。 生活水準が向上し、世界が一体化する一方、 地球環境の限界や社会活動の複雑化、 我々自身の少子高齢化、 政策の国際化や民主化の必要性など、 多くの課題も生じています。 そうした課題を解決できる新技術は すでに現れつつありますが、 新たな技術を活用できる政策も 求められています。 私達が〝文明〟という|概念《コンセプト》により、 広い視点から、筋道を立てて、バランス良く (包括的・分析的・総合的に)、 文明活動を考えてゆくことができれば、 それはより良い技術や政策の考案につながり、 人類社会のさらなる発展に 役立つのではないかと思います。 |
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