投稿日時 2022-01-23 22:17:23 投稿者 平 一 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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科学・技術と制度・政策には、 経済・社会活動に働きかける際の 直接・間接・自助・互助という|経路《ルート》の違いに応じて、 それぞれ4つの種類がありました。 技術と政策の互助ルートのうち、 政策側の技術的政策はさらに、 技術のどのルートを助けるかによって、 3つのルートに分けられます。 (1)社会工学的政策……共同支援ルート 画期技術を助けるルートです。 資源・環境や都市・交通、 防犯・防災といった技術的政策の中で、 民間団体や市民の協力を促すための、 政策です。 防災団体支援や建築規制・交通規則、 ごみ出しルールの周知など、 社会工学的な組織・規制・啓発技術を 用いる政策です。 経済・社会活動全体を大きく変える、 主力技術の悪用・誤用・副作用を防ぎ、 活用するために、 自らもまた広く経済・社会活動の中で 共に働き支援する、という技術です。 豊かな工業社会では、 大災害時に消防署だけでは対応できない等、 皆で協力し合わないと、街の安全・衛生や 利便・快適性が損なわれてしまいます。 便利な情報社会では、 特殊詐欺対策に銀行の協力も必要です。 名前の印象とは違い、 政策実施を助ける社会工学の力を借りて、 実は大きな画期技術の活用を 助ける政策といえます。 (2)|社会基盤《インフラ》政策……部分支援ルート 実現技術を助けるルートです。 画期技術を物的資源に具現化する、 建設・輸送・電気・通信技術といった 実現技術の健全性を保つため、 一般的な経済・社会活動からは得にくい支援を 提供する政策です。 例えば、自動車や家電・パソコンなら 民間市場が供給できますが、 公共施設や交通・|動力《エネルギー》・通信網など、 |社会基盤《インフラストラクチャー》の建設には 公的な出資や調整が必要なので、 そうした主に大規模な、 物的資源の整備を行う政策となります。 (3)研究・開発政策……特注支援ルート 研究・開発技術を助けるルートです。 科学・技術自体を発展させる 研究・開発技術に対して、 その健全さを保つため 利害を調整する政策です。 広い意味では経済・社会活動の一部ですが、 先行投資、情報の守秘・共有、 社会的影響への配慮などの必要性がある、 研究・開発事業の特殊性に応じ、 いわば|特別注文《カスタムメイド》の支援を提供する政策です。 英国が産業革命、米国が情報革命に 成功した大きな理由に、 民間組織も含めた研究・開発政策の 努力があげられます。 もっとも、以上は理論的な分類であり、 現実的には重なることもあります。 様々な技術や政策には、重なり合い、 働きかけ合う部分も多いからです。 校舎の建設は、教育政策と共に 防災|社会基盤《インフラ》政策にもなり得ます。 新技術による通信網の建設支援は、 研究・開発政策にも|社会基盤《インフラ》政策にもなります。 企業による先端技術開発への支援は、 研究・開発政策と共に産業政策にもなります。 同じ福祉法人や財務諸表が、 組織・会計技術の成果であると共に、 経済・社会政策の手法である、 といえるような場合もあります。 そうした重なりを考えるのも面白く、 さらなる政策の立案や連携に 役立ちうるのではないかと思います。 |
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