投稿日時 2021-05-31 18:23:40 投稿者 平 一 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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技術は環境を制御して 社会を豊かにし、 政策は社会を自己制御して 健全に保つという、 人間と環境の働き合いの視点から 文明を見た図です。 生物学では生命活動を、 生物と環境の相互作用としてみるので、 この名前をつけました。 生物学的視点も取り入れて、 より発展した社会学の 考え方になると思います。 図3〝社会学的説明図〟と同様に|例《たと》えると、 右手の技術は外に向けた仕事を行い、 左手の政策は自分の|身繕《みづくろ》いに役立つ、 というように表現できましょう。 技術は自然・社会環境を変えますが、 人間自らもその新しい環境に適応するため、 自分達自身の活動を律していくのが政策だ、 という考え方です。 近年では『技術には人を動かすのに役立ち、 政策の実現を助けるものもある。 他方で政策とは、一部の誰かが他の誰かを 一方的に動かすのではなく、 全ての人々が一緒に自分達を制御する、 人間活動の自己制御である』 という見方が増してきたと思います。 その理由とは、 (自然・社会科学的な)技術の発達と、 (国内・国際的な)社会の一体化です。 これにより新たな政策、 あるいは政策の視点を生み出す二大条件、 〝必要性〟と〝許容性〟が生まれました。 (1)新たな政策視点の必要性 まず自然科学においては、 我々がひとまず地球という、 〝自然環境の限界〟に近づき、 もはや自然は征服や支配の対象から、 我々自身の責任による 保護や共生の対象に変わってきました。 社会科学においても、心理法則の悪用事例や 人口急増による戦争(ユースバルジ仮説)など、 我々自身の〝内なる自然〟の限界という 課題が分かってきた一方、 そうした法則性を社会のために活用する、 〝社会工学〟という学問も生まれました。 次に国内社会では、生活の向上と省力化、 政治の民主化や地方分権が進み、 国家政策の決定において、 政府がどう国民を動かすかではなく、 国民自身がどうしていくか考える という部分が増えています。 国際社会でも、 交通・通信や軍事技術が発達して、 政治の世界化が進みつつあり、 国際政治でも他国をどうするかに加え、 共にどうしてゆくべきかという 意識が増しつつあります。 (2)新たな政策視点の許容性 とはいえ個人の自己制御も難しいのに、 社会の自己制御なんて大変そうです。 しかし、それを可能とする次世代技術も 現れてきました。 農業、工業に続く情報、AI技術の発達は、 モノの生産と分配に加え、ヒトの向上と活用 (あるいは人間の能力という富の増進と配分)、 すなわち自己制御を可能にしつつあります。 情報技術は『ああいう時はああする』という、 定型的な情報処理の大量迅速化によって、 様々な製品や情報の生産と分配だけでなく、 人間の知的な活動も助けてくれます。 AIは人間が『どうすべきか分からない』時も 試行錯誤で因果法則の発見と利用まで行い、 モノの生産と分配における人的業務に加え、 ヒトの向上と活用も支援できる技術です。 (3)現実政策における表れ 詳しくは後で述べますが、 それに応じて政策でも、 新たに重要な分野が加わって、 増えつつあると思います。 富の生産(安全を含む)のための 技術的政策や、 富の分配(投資を含む)それ自体に 意味がある経済・社会政策に加えて、 他の政策も重要になりつつあります。 それは、人の向上(保健や教育)のための 人的資源政策や、 人の活用(国際化や官民協働)のための 行政管理政策です。 社会の自己制御のためには、 人の向上と活用も大事になるのでしょう。 |
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