投稿日時 2021-05-31 18:14:42 投稿者 平 一 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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文明の六要素はそれら全てが、 互いに影響を及ぼし合う関係にあります。 しかし、長期的にみると、 技術が進めば社会が変わり、 社会が変われば政策も変わり、 その政策がさらに次の技術開発を促すという |螺旋的上昇の循環《スパイラル・アップ・サイクル》により、 文明が発展していきます。 (1)変化の順序 ここでまず重要な点として、 個人の活動と違って文明活動では、 決定(政策)と行動(社会活動)の順番が 逆になります。 なぜなら、技術を用いて 人々が様々な社会活動を営む中から、 |試行錯誤《しこうさくご》により、利害調整のための 制度・政策が確立されていくからです。 自動車が普及しないうちから、 完全な自動車交通法規は作れません。 ただその|時間差《タイムラグ》をできるだけ、 縮めることが重要なのだと思います。 技術や政策の社会的・長期的な流れは、 多くの人々の活動の積み重ねによるので、 個人の個々的な認識や決定と同一ではなく、 総合的な見識や人格の形成に近いといえます。 科学・技術や制度・政策においては、 法則・技術や理論、理念・法規や制度という、 一般的な認識・決定やその体系が重視される、 というのもその表れだと思います。 (2)変化の内容 次に、文明発展の具体的な|過程《プロセス》を見ると、 生産・輸送・通信や軍事のための 科学・技術が発達すれば、 経済・社会活動が拡大・省力化と共に 複雑・加速化します。 すると利害を調整するため、 新たな制度・政策が必要となり、 それらは以前のものより高度化し、 巨大化と同時に分権化します。 政策の巨大化と分権化というのは、 一見矛盾するように見えます。 でもそれは、必要とあれば大勢が動くが、 それにあたっては、より多くの人々が 決定や改善に関わるようになっていく、 ということです。 歴史上、国家の統合が進み、 国際協調主義や|全球統治《グローバルガバナンス》の 理念が生まれる一方で、 政治的民主化や経済の自由化、地方分権、 様々な監査制度、人権保障が 発達してきたのは、その表れでしょう。 (3)変化の|循環《サイクル》 また他方で政策は、新たな科学・技術の 研究・開発も促します。 ある技術水準で利害を調整する政策が 社会における利害調整を極めると、 その限界を突破するために、 新たな技術が求められるからです。 技術の側から見ても、その開発や普及には 政策的な支援を要します。 |巨大科学《ビッグ・サイエンス》と言われるような 現代の科学・技術では、 その研究・開発に多くの資材や 人材、資金が必要となるからです。 アメリカが情報革命といわれる 社会変革に成功したのは、 アポロ計画や核戦争対策における |電算組織《コンピュータシステム》の、 国家的な開発努力によるところが大きい、 と言われます。 (4)変化の必要条件 しかし、前の図でも述べたように、 技術は物的資源に具現化されないと 社会を豊かにできません。 歴史的に見ますと、 第二次大戦時の日本の大きな敗因のひとつ (資源輸入の途絶による燃料・物資不足)は これにあたります。 また、政策は人的資源により実現されないと、 社会を健全に保ち続けられません。 民主的なワイマール憲法のもとで 独裁者ヒトラーが生まれた原因 (民度[社会的知識や政治的成熟度]の不足) は、これにあたりましょう。 さらに、政策が新技術を開発・普及する際は、 自然・社会環境が制約・促進要因となります。 英国が産業革命で先駆けた理由 (鉄鉱、石炭、水資源、労働力、 資本や市場の存在)は、 これにより説明できます。 しかし、これまでも先人が行ってきたように、 失敗であれ成功であれ、 過去の経験から文明の|潮流《トレンド》を読み取り、 現在の状況分析と合わせて、 未来の活動に活かしていければ、 必ずや社会の繁栄に役立つと思います。 |
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