投稿日時 2019-10-14 20:02:21 投稿者 平 一 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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人工知能(AI)を中心とする新技術と、それを活用した政策が、 現代の様々な課題を解決できることを示した図です。 理論的には図7のように分類できる文明課題を、 技術と政策が解決することになりますが、 ここでは実務的な政策の視点から課題を分け直したうえで、 それぞれの対策に活用できる技術を書きました。 社会生活を営む人間の文明活動においては、 多くの課題解決には技術だけでなく、 人々の利害を調整する政策が必要な場合が多いし、 技術と政策には助け合う関係もあるからです。 例えば環境破壊なら、代替技術開発に加え、利用禁止から費用負担まで、 場合によって様々な政策的配慮が必要なことが多いです。 逆に対策技術でも、新技術開発や|基盤施設《インフラ》・利用規則の整備のための、 技術的政策の中で扱うことができます。 文明とは、富を生み出す技術によって発展し、 富を分け合う政策によって持続するのでありましょう。 技術的政策における課題が、物的資源の持続可能性です。 (資源枯渇、環境破壊、都市老朽化や災害・犯罪などの問題に対し、 富の安全を含む生産に役立つ技術を、健全に開発・利用する政策の 課題なので、その富を〝物的資源〟という要素で表現しました。) 経済・社会政策における課題が、経済・社会活動の持続可能性です。 (拡大・複雑・加速化する経済・社会活動を健全に保つため、 富の再投資を含む分配を調整する政策の課題なので、 〝経済・社会活動〟の持続可能性となりました。) 人的資源政策における課題が、人的資源の持続可能性となります。 (少子高齢化や経済・社会の変化に対応するため、政策の実現に必要な、 富を作って分ける人々自身の健康・教育を向上させる政策の課題です。) 行政管理政策についても、制度・政策の持続可能性が考えられますが、 この図では経済・社会活動の持続可能性の中に含めて考えました。 (もし行政管理政策として独自の課題を挙げるなら、 制度・政策の巨大化・分権化に応じた、人々の能力活用となりましょう。 この考えに立つと、人的資源政策の課題は健康・教育という富の向上、 行政管理政策の課題はそうした富の活用である、ともいえます。) 人類は今、文明の転換期(文明段階の移行期)にあります。 農耕技術は、文明を生み出しました。 工業技術は、文明を世界的に拡大しました。 情報技術は、地球という空間的限界への到達による衝撃を緩和しました。 しかし人類文明はまだ、 この惑星上における時間的な持続可能性を見通せていません。 様々な資源・環境問題、経済・社会問題、 あるいはその背景となる教育・医療問題といった、 政策上の課題が表れつつあります。 それらを在来技術だけで解決するのは難しいですが、 新たな画期的技術も生まれつつあります。 新たな文明段階を|拓《ひら》く技術を開発し、 普及・活用し得る政策が求められています。 技術と政策は助け合っていますが、長期的な変化の順序もあります。 文明の|段階《ステージ》は技術によって開始され、政策によって完成します。 科学・技術が経済・社会活動を豊かにすると、 その段階での活動を健全に保つため、制度・政策が利害を調整します。 しかし、後の図でも述べるように、人間の欲求は無制限的なので、 ある|段階《ステージ》での限界が見えると、政策は次なる技術の開発も求めます。 そこでこの図では、既存技術のもとでの政策課題を整理したうえで、 その解決に役立つと期待される新技術を書き出しました。 人工知能(AI)を中心とした様々な次世代技術は、 生物など自然物と、機械など人工物の間の障壁を取り払い、 いわば|良《い》いとこ取りで両者の持続可能性を高める、 (体内環境を含めた)自然環境や社会環境に優しい、 持続可能性(環境親和)技術ともいうべき技術です。 研究・開発政策を初め、各種の政策が連携して、 そうした新技術の健全な開発・普及を助ければ、 それらの技術は社会をさらに豊かにするだけでなく、 新たな社会を健全に保つ、各種の政策も支援してくれます。 新素材・新エネルギー技術は、 主として|社会基盤《インフラ》政策など、技術的政策を助けてくれます。 IoTとビッグデータ処理、知能ロボット、|生物工学《バイオテクノロジー》/|生体工学《バイオニクス》技術は 産業振興・社会保障など経済・社会政策を助けてくれます。 先進医療・教育技術は 保健・教育といった人的資源政策を助けてくれます。 もちろん、以上はあくまで重点分野の実例なので、 相互支援は行政管理政策も含め、技術と政策の全分野に及んでいます。 現在において特に重要な点は、〝人的資源〟の向上が、 技術的にも政策的にも可能、かつ必要とされることだと思います。 人工知能(AI)を中心とした次世代技術は、 富の生産と分配に加え、富を作って分ける我々自身、 あるいは最も貴重な富と言うべき、我々自身の健康や教育までも、 画期的な方法で支援し、向上させることができます。 |今日《こんにち》の政策でも生活水準の向上や少子高齢化、 地球規模の自然的限界と社会的統合への接近、 あるいは大量破壊兵器の出現などを背景に、 淘汰の犠牲や|費用《コスト》、|危険《リスク》なき人的資源の維持・向上が求められています。 すでに国連の〝持続可能な開発のための目標(SDGs)〟や 〝|人間の安全保障《ヒューマン・セキュリティ》〟などの政策、 我国のソサエティ5.0やスマート(スーパー)シティ、 スマートグリッド、マイナンバー、データヘルス、エデュテック活用 といった政策でも、そうしたことが考えられていると思います。 |
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